こんにちは赤ちゃん

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無事に産まれました。
予定日より三週間ほど早いけれど、元気な女の子です。
‥‥いや、俺達の子じゃなくて、妹夫婦の子だけど。
姪っ子ってことになるんやね。


思えば妹の妊娠が発覚したのは、去年の11月、俺達の結婚式の時だった。
俺達の結婚式に出席するために、妹はダイエットしていたのだ。
いやほら、ドレスとか着なくちゃならないからね。
で、最近、腹が出てきたなぁと感じていた妹は、頑張って食事制限したそうだ。

だけど。

「手や足は細くなったんやけど、下腹がどうしても引っ込まへんねん。」
と、妹がオカンに相談したのが、結婚式の朝のこと。

ドレスはなんとか入ったものの、腹だけがぽっこり出ている妹の体型を見て、ウチのオカンがさすがに訝しんだのだ。
「‥‥これ、妊娠してるんとちゃうんか?」


そして結婚式が終わって、翌朝。

改めて隣に住む妹の家にオカンと嫁が行き、ハダカにして見てみたところ。
「いやこの腹は、間違いなく赤ちゃんやな。」
「‥‥ていうか、これもう随分大きくなってない?下手したら五、六ヶ月くらいイッてるかも。」

あわててその足で病院行ったら案の定、妊娠六ヶ月(推定)の診断。
まさに「どうしてこんなになるまで放っておいたんだ!」状態だ。
ぶっちゃけあり得ない。


「あ゛ーーー」
そしてなにより、ショックを受けていたのは妹自身だった。
まさか妊娠しているなんて、これっぽっちも思っていなかったと言うのだ。


‥‥妹は若い頃の摂食障害やらなんやらが影響して、ものすごい生理不順だった。
生理が来るのは年に一度とか、そんなもんだったらしい。
だから、妊娠して生理が止まっていても、もともと生理なんかめったに来ないから気がつかなかったし、妊娠するはずがないという思い込みもあったのだ。



「‥‥しかし、妊娠六ヶ月になるまで気がつかないかよ、普通。」
居間で、オカンと妻と一緒にお茶を飲みながら言う。

まあ、めでたい話ではあるんだ。
おめでたすぎて、俺達の結婚のおめでたさが吹き飛んでしまったけどな。

結婚のお祝いに、と親戚がお赤飯持ってきてくれた筈なのに、妹の方にお赤飯持って行かれたけどな。
まぁ、それも仕方ない。


オカンの舞い上がりようは、そりゃ凄かった。
なんたって初孫だから。

俺の妻も、我が事のように、妹の妊娠を喜んでくれた。

妹夫婦としては、予想外の妊娠だけあって不安(たとえば経済的なこととか)は大きかったようだが、それでも子供を授かる喜びのほうが大きかったようだ。
なんせ妹も旦那さんも、幸せそうだもの。


思えば、妊娠していると気がつかないままに、妹は夏は海に泳ぎに行っていたし、山にも登ってたし、そもそもダイエットなんかしてやがったのだ。
そんなに身体を酷使しても、問題なくすくすくと胎内で(人知れず)育ち続けた赤ん坊だ。
生命力が強いというか、頑丈な子だ。
きっと、無事に産まれるだろう。


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そうは言っても、30代後半の高齢出産である。もともと、内臓の病気抱えた妹には負担が大きいだろうなぁとは思っていたが。
母は強し、というヤツだろうか。
腹帯を巻いて、いよいよデカく見えるようになった腹を抱えながら、妹は今までより元気になったように見えた。



正月を越えたあたりからは、腹の中の子どもがやたら動きまわるのだと言っていた。
予定日は3月6日だとのことだったが、案外、それより早く出てくるんじゃないかねぇ‥と皆で言っていたのだ。


「2月13日に産まれたら面白いんやけどなぁ。」

2月13日は妹の誕生日であり、また妹夫婦の結婚記念日でもある。
ここに子どもの誕生日まで重なったら、お祝い事が一度に済んで楽じゃないか。

「そんなん、ややこしいし、第一、子どもが可哀想や。」
と妹は言っていたが、果たして。


2月12日の夕方から出血が始まり、そして夜には妹は病院へ運ばれていった。

やっぱり、13日だった。
2月13日の深夜3時過ぎ、新たな生命がこの世に誕生した。



深夜の出産に立ち会いはしなかった俺と妻は、13日の夕方になってから病院に見舞いに行った。
病室の妹には、オカンと妹の旦那さんがつきっきりだ。
みんな、笑顔。


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妹はけろりとした顔で、お産なんてたいした事はなかったと嘯いてみせた。
あんなにスイカみたいだった腹は、ぺしゃんこになっていた。
なんだか、すごいな。




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赤ちゃん‥‥姪っ子は未熟児なので保育器に入れられていた。
1938g。
だけど、髪の毛はフサフサだし、保育器の中でも手足をブンブン振り回して、元気いっぱいだ。
きっと、たくましく育つだろう。


「私も!私たちも子供欲しいねぇ!」
妻が言った。
そうだなぁ。

妹の子供と、俺達の子どもが仲良く一緒に学校(同学年は無理だけど)に行く‥‥そんなのもいいかもしれない。
がんばってみるかねぇ。

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