バイク修理とゴルゴムのしわざ
秋に自動二輪免許を取得してからというもの、250ccのマジェスティばかり乗り回して、原付スクーターは放置プレイになっていた。
洗車もメンテナンスもされず、雨ざらしのままで、じっとヤツは乗ってもらえる日を待っていたのだろうか。
昨日、突然、マジェスティのエンジンがかからなくなったのだ。
セルを回しても「カカカカカッ」って異音をたてるばかり。
何度も試しているうちに、そもそも電源すら入らなくなった。
えー?なんで?まだ買って半年だぜ?
「‥‥って、これから出勤なのにどうやって会社行くんだよ!」
って、焦る俺に、
ヤツは「俺に乗りなよ!」と誘いかけてきたのだ。
50ccのニクいヤツ。
数ヶ月ぶりにエンジンに火を入れた原付スクーターは、
小さなボディながら、立派に俺を会社まで送り届けてくれた。
思えば、半年前までは毎日コイツで京都中を走り回っていたのだしな。
オマエが居てくれて本当に助かった。
邪険に扱って悪かった。今度メンテナンスもしてやるからな!
‥‥とはいえ、やはりマジェスティも修理に出さなきゃイカンわけで。
夜勤明けでフラフラの身体で、バイク屋さんまでエッチラオッチラ。
250kgの鉄塊を押していったよ!
いつも普通に通ってる道が、実はゆるーい登り坂になってて、バイクの重さにマジで泣きそうになった。
「バッテリー上がってますねぇ。」
バイク屋のお兄さんはさすがプロで、症状を一目見るなり原因を特定してくれた。
テキパキと俺のマジェスティの内部カバーひっぺがして、バッテリーを交換してくれる。
「でも買ったばかりなのに、なんで‥‥?」
「心当たりはないですか?」
「いやぁ、無いっスねぇ‥‥」
ちなみにバッテリー交換費用、21600円。とほほほ。
「やれやれ、ひどい目にあった。」
「もしかして‥‥」
「うん?」
「原付スクーターが自分に乗って欲しい一心で、マジェスティのバッテリーを吸い取ったんとちゃうか?」
「はははは、まさか。」
でも確かに、毎日乗り回しているマジェスティのバッテリーが急に上がったのも不思議なら、
数ヶ月間乗らずに放っておいた原付のバッテリーが上がらずに生きていたのも、よく考えると不思議だし‥‥。
愛用したモノには魂が宿るというが‥‥ははは、メルヘンやファンタジーじゃあるまいしなぁ。
で、実際のところ、どうなのよ?
と問いかける俺に、原付スクーターは黙ってこう答えた。
「ゴルゴムのしわざだっ!!」
ああ、ゴルゴムのしわざなら仕方ないなぁ。
‥‥おのれゴルゴム!
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